
“大好き”だけが並ぶおうち作りを提案する、ルームスタイリスト・整理収納アドバイザーのひでまるさん。それぞれの家庭やライフスタイルに寄り添った、温かく的確なアドバイスに定評があります。
そんなひでまるさんに、タカギのユーザー様から寄せられたリアルなお悩みに答えていただきました。
第3回目は、増えたり散らかったりしがちな「紙類」にまつわるお悩みです。

ルームスタイリスト・整理収納アドバイザー。1988年生まれ。「ひでまる」として、都内の築35年リノベマンションでの男性パートナーとの2人暮らしを、SNSを中心に発信。ディズニーストアや美術館のミュージアムショップなどでのVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の経験を活かしたルームスタイリングは、数ヶ月先まで予約が埋まるほど。
【著書】
47㎡、2人暮らし 大好きだけが並ぶ部屋作り(小学館)
【Instagram】
hidemaroom
銀行や保険関連などの書類は、同じ内容のものが何度も届き、うまく整理できません。新しい書類が届いたら、入れ替えて古いものは捨てればよいと分かってはいるのですが……。うまくファイリングする方法も教えてください。

ひでまるさん(以下、ひでまる) お悩みを見る限り、そもそも書類の管理に困っていらっしゃるようですね。
サービスを説明する冊子や何かの案内など、再請求できる書類は早急に必要なければ持たないことをおすすめします。保管するのは、再発行できない契約書だけ。
また、古い書類が捨てられないのは、「後でやろう」と溜めているからかもしれません。
基本的に、届いた郵便は受け取ったらすぐに封を開けます。1〜2分もあれば、中身が必要か分かりますよね。
私は玄関からの導線にあるキッチンのゴミ箱の前で封を開け、封筒はその場で捨てます。これだけで「後でやらなきゃ……」というストレスから解放されました。
“うまくファイリングする方法”については、まずファイリングがご自身に合っているかを考えてみましょう。
世の中にはいろんな整理整頓方法がありますが、誰にでもうまくいく魔法のような方法はありません。
そもそもファイリングは、ファイルにただ入れるだけでは検索がかけづらく、索引をつけたほうがいい。ただ、索引をつけるとなるとハードルが高くなります。
おすすめは、少ないページ数のファイルでジャンルごとに保管すること。ただ、これはあくまでも一例ですので、まずはご自身の性格やライフスタイルを立ち返ってみてください。
子どもが学校からもらってくるお便り、宿題、テストや授業のプリントなどの紙類は、どう整理整頓すればいいですか?

ひでまる 大切なお子さんに関わるものだから、全て取っておかないとだめでは? と不安になっていらっしゃるのかも。お便りの場合、近頃はアプリやメールなどで見られる学校もありますし、万が一なくしたら再発行もお願いできます。あまり気負わないでくださいね。
その上で、お便りは3つに分類します。
①献立表や行事のお知らせのように次が届くまで使う
②保管は必要だが見る頻度が低い
③読んだら処分できる
①の場合は仕分けて、見やすい場所に貼るのか、引き出しなど定位置に入れておきます。
そして、次が届いたら自動的に入れ替えればOK。②は、しまっている場所が分かっていれば大丈夫です。
ただし①も②も、自分一人で管理せず、家族と共有しましょう。お子さんにも「あなたのための書類だよ」と伝えれば、分かってくれます。
テストや授業のプリントと宿題は、分別が大事です。テストや授業のプリントは、1年は保管して、できれば教科で分類します。
宿題は、持って帰ってきたらココと、保管する場所を決めましょう。
どちらもお子さんが管理しやすいよう、整理整頓のアクション数を減らすこと。
決めた箱に入れるだけの投げ込み収納なら簡単です。『無印良品』の「持ち運べるフェルトボックス」や「ファイルボックス」が便利ですよ。
子どものお便りや大切な支払い用紙、給食の献立、おいしそうなレシピなど。気が付くと冷蔵庫が紙類でぐちゃぐちゃになりがちです

ひでまる 大前提として、持つ紙類を減らすといいですよ。そして、冷蔵庫に貼るものは家族で共有したいものだけなどと、ルールを決めるとぐちゃぐちゃになりづらいです。
私はそもそも、紙類をなるべく持たないように意識しています。
実践しているのは、日にちと時間がわかっていればよいものは、受け取ったらすぐカレンダーに書き込んで、紙類は処分してしまうこと。
家電の取扱説明書も、『トリセツ』というアプリや、ネットで検索できる公式サイトを活用したりもします。
また、支払い用紙や申込書などアクションが必要な紙類は、場所を作ってあげることが大事です。
このとき、カテゴリごとに分類するとなくしづらく、後からわかりやすいですね。
こうした大切なものは見えるところに貼っておかないと怖いという方は、自分のキャパを超えて一人で抱えすぎているのかもしれません。
たとえば給食の献立は、毎日必ず見ますか? 見ていないなら、貼ることをやめませんか? 私のお客様で、献立表を貼るのをやめたら、メニューがかぶるのが嫌だとお子さんから明日の給食を申告してくるようになったという例もありますよ。