整理収納アドバイザーひでまるさんのお悩み相談室 ~家族間の整理整頓編~

「おうちの収納を決めるときは、必ず家族と相談することが大切です」と、ルームスタイリスト・整理収納アドバイザーのひでまるさん。なぜなら、これこそ家族みんなが暮らしやすいおうちにするためのポイントだから。
今回は、タカギのユーザー様から寄せられた「ご家族間での整理整頓」にまつわるお悩みに答えていただきました!

教えてくれる人
ひでまる(安藤秀通)さん

ルームスタイリスト・整理収納アドバイザー。1988年生まれ。「ひでまる」として、都内の築35年リノベマンションでの男性パートナーとの2人暮らしを、SNSを中心に発信。ディズニーストアや美術館のミュージアムショップなどでのVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の経験を活かしたルームスタイリングは、数ヶ月先まで予約が埋まるほど。

【著書】
47㎡、2人暮らし 大好きだけが並ぶ部屋作り(小学館)
【Instagram】
hidemaroom 

Q1
私が片付けると、隙間を埋めるように夫がその場所にものを詰め込みます。『新しく買うなら、いらないものを捨てて』と言っても、全部いると言い、ものが増える一方で困っています。

『新しく買うなら、いらないものを捨てて』は逆効果。第三者を入れて話し合うのがおすすめです!

ひでまるさん(以下、ひでまる) ご主人が多趣味でものが多くて……というお悩みは、実はかなり多いです。買うこと自体がストレス発散だったり、コレクションとして買っていたりと、ご主人は買うときにおうちのスペースのことまで考えていないのかもしれません。

夫婦といえども人間は一人ひとり感覚がちがうので、ものやスペースに対する考えもさまざま。だからこそ、まずは真剣に話し合ったほうがいいと思います。
このとき、第三者を入れると話がスムーズです。お互いをよく知る友人や家族、または私たちのような整理収納アドバイザーでもかまいません。

話し合いでは『新しく買うなら、いらないものを捨てて』と言うのは逆効果です。
買うことと家の中の物量がイコールになっていないご主人にとって、『捨てて』と言われると、自分まで否定されたような気持ちになるだけ。

「全部とっておけるならとっておきたいけど、このスペースにおさめられないかな?」「私はこういうふうに考えていて、あなたのスペースはこう使ってほしい」などと、相談してみるとよいと思います。

その上で、お互いが納得のいくスペースの使い方を決めて、ものとの付き合い方や整理収納方法をシステム化しましょう。


Q2
妻のものが多い上に、勝手に片付けられないので、部屋の整頓がうまくいきません。難しいです!

思い切ってプロに頼む。もしくは、片付けの内容をアピール&プレゼンテーションしましょう

ひでまる おうちの片付けは、自分もしくは家族でやらなきゃ! と思っている方が多いですね。
でも、そもそも片付けが苦手だったり、何年も取り組んでいるのに思うようにできていないのなら、大切な時間がもったいないと私は思います。

私は苦手なお風呂掃除は家事代行サービスをお願いしているのですが、片付けも家事の一つと捉えて、整理整頓のプロに頼るのも手。
いま、都心で家を建てるのは4億円、地方なら4000万円かかると言われています。一方で、プロに片付けを依頼した場合、一軒家全てやっても40万円ほど。
長年の悩みが晴れるのなら、一度ご検討いただくのもよいかもしれません。

ただ、もし家族で協力したいのなら、まずは一人でできるところを片付け、奥様に「今日はこんなふうに片付けたよ」とアピールしたり、「ここをこう片付けたいんだけど、どうかな?」とプレゼンテーションしたりすることが大事です。

家族が協力してくれないという悩みは、意思疎通ができていないケースが多い。質問者様が一所懸命やっていることが伝われば、片付けに関わろうという気持ちが起きるはずです。


Q3
小学生の子どもが制服や学用品をリビングに置きっぱなしで、毎日声掛けをしています。スムーズに、子ども自身が片付けやすい方法が知りたいです。

お子さんと相談して、お子さんが使いやすい動線に収納を作るのがおすすめです

ひでまる そもそもお子さんが片付けないのは、“片付けづらい”というシステムの問題。とくに小学生の間は、帰ってから自分の部屋にものを戻せるお子さんのほうが少ないです。
また、お子さんに何度「片付けなさい」と言っても聞いてくれない、というお悩みもよく聞きます。「片付けなさい」の連続は、想いが心に届きにくいんですよね。

小学生のお子さんにおすすめなのは、玄関からリビングまでの動線に、上着やバッグなどを置ける収納を作ること。もしリビングのインテリア性を重視されているなら、廊下に作るといいでしょう。
お子さんに、どこに収納を作れば片付けやすいかを聞くのもいいですね。

ただ……子どもをもつ選択肢のない私からすると、小学校6年間は、限られた大切な時間のように感じます。もちろんインテリア性は重要ですし、もしリビングに制服や学用品の置きっぱなしが一生続いたら辛い(笑)。
でもその時間は、あと数年で終わるんですよね。そう考えたら、リビングにお子さんのものがある風景を愛おしく思えるかもしれません。

SNSやYouTubeで見かける素敵なおうちを目指すのではなく、自分たち家族にとって“心地いい家”を作りましょう。


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