BOXY NEXT開発者インタビュー~使いやすさとデザイン性の両立が開発の使命~

Profile
株式会社タカギ
製造本部 開発部 新技術開発課 芳川 敏康(左)
製造本部 開発部 散水商品開発課 古門 春貴(中央)
製造本部 開発部 商品企画課 國重 教子(右)

散水ホースリールの主力商品はこうして生まれた

――BOXY NEXTのコンセプトを教えてください。

芳川敏康(以下、芳川) BOXY NEXTは「BOXYツイスター」の後継機として企画した商品。企画から1年半ほどで出荷することができました。社内では“プラスワン機能”ということで、少なくとも1つは新機能をつけてほしいとのリクエストがありました。

当初は「リール本体がホースを引っ張った方向を向くようにできないか」と提案されましたが、すでに他社商品で採用済みだったこともあり、内部の「ホースガイドローラー」で差別化を図りました。具体的にはホース引き出し窓の左右端にホースガイドローラーを搭載して、左右方向でもホースの引き出し・巻き取りがしやすい機構になっています。

ホース引き出し窓にホースガイドが付いているため、左右方向への巻き取り・引き出しがスムーズに行えます

古門春貴(以下、古門) ホースガイドローラーがこの形になるまでは、かなり試行錯誤を重ねました。とくに工夫したのは、螺旋状に凹凸パターンをつけたことです。最初はローラー表面がツルツルでしたが、引っ掛かりがないと引き出している感触が弱かったため、試作品を作ってから再度やり直しました。


――ドイツの「Red Dot Award 2024」と「iF DESIGN AWARD 2024」、日本の「2023 グッドデザイン賞」をトリプル受賞するなど、デザインも高く評価されています。

國重教子(以下、國重) そうした評価はとても心強いものです。BOXY NEXTに関してはBOXYツイスターよりもコンパクトにし、今の時代に合ったインテリア性を高めるデザインにすることが命題でした。
意匠的にこだわったのは本体サイドのデザインです。厚みの最大幅は先代から変わっていませんが、巻き取るドラムの円部分以外を薄くしてスタイリッシュな外観に仕上げました。
3 パーツのみで構成して、すっきりしたフォルムにした点もこだわりです。

また、ホース接続部のニップルに関しても本体内部に埋め込んだことで、不意な衝突や転倒時の破損を防止しています。高いデザイン性を保ちながら、お客様に対してどのように新しい価値を提供できるかを考え抜きました。


――BOXY NEXTはグレー/ブラウン/チャコールグレー(チャコールグレーはWeb限定カラー)と、シックなカラーも特徴です。タカギの散水ホースリールはこうしたカラーリングが増えましたが、何かきっかけがあったのでしょうか。

國重 どの家に行っても青と白のホースリールばかりで、個人的にはそれがすごく嫌でした。それを変えたい思いがあって、あるタイミングでアースカラー系を提案しました。汚れも目立たないですし、これまでとは違った色で展開したかったからです。
結果的にお客様には白系よりもアースカラー系のほうが受け入れられているので、間違っていなかったと思います。

BOXY NEXTは最近の戸建てのカラーリングに馴染むように設定しています。お客様が商品を手に取る際の第一印象は形と色。その後に機能、コストを見ていくので、やはりデザインとカラーは重要です。

――SDGs時代を見据えて、環境にも配慮していると聞きました。

芳川 はい。ホースには再利用素材を、黒い部分のパーツは基本的に再生樹脂を採用しています。また、BOXY NEXTは段ボールに入れやすい形にして梱包の効率性を高め、輸送時のCO2排出量を削減したいとの狙いがありました。これも環境配慮の1つだと考えています。

ストーリーを設計に落とし込むことが大切

――少し視点を広げて伺います。散水ホースリールを開発するにあたっての外せない点は何ですか。

芳川 私はものづくりに対して、常に実際に使用するお客様の視線を忘れないように心がけています。自分自身、少しでも嫌な部分があったらそのメーカーの製品を買わなくなるタイプ。そうした厳しい判断基準で設計や開発に取り組んでいます。

もう1つ、ストーリーを組み込んだ設計が大切です。「なぜこの構造になったのか」を聞かれても、きちんと説明できるように設計しています。
すべての構造に、納得していただけるだけの意味があるということ。「何となく」で作らないことを念頭に置いていますね。

古門 私は自分の中で「こういう形状にすれば、こうした結果が得られるだろう」との仮説をきちんと組み立てて開発を行うようにしています。
例えばノズルも水形がシャワーだったりストレートだったりとさまざまありますが、水形のキレイさについて部品や形状との兼ね合いを深掘りし、考察を深めながら設計を進めることを重視しています。


國重 昔のホースリールは機能重視で、とにかく壊れないことが正義でしたが、最近ではマンションのベランダや小ぶりな庭など利用する環境に馴染むデザイン性が求められるようになりました。空間に合わせたラインアップが充実してきたこともあり、選ぶ際にデザインを気にするお客様も増えています。

だからこそ先ほども話したようにデザインは重要なのですが、自分のデザインだけに固執していては商品は成立しません。ですから「お客様がいかに使いやすいデザインにするか」をいつも考えています。

ものづくりの過程では設計・開発側とじっくりと調整しながらお互いの着地点を探し、それでいてタカギの良さを失わないように少しずつアップデートしています。

BOXY NEXT以外で開発者がオススメするホースリールは?

――皆さんイチオシのホースリールを教えてください。

芳川 自分が設計・開発した軽量コンパクトの「オーロラNANO」です。私が20代後半に担当した商品で、それまでこうした収納一体型の形状はなかったので思い入れが強い。かなり苦労して限界まで小さくしましたし、ステップを引き出して安定感を保つなど、使いやすさにもこだわっています。

ノズル側ホースと蛇口側ホースをつなぐ部品は、スムーズに巻き取れるように改良を重ね、お客様は意識することなくスルスルと収納できるのがポイント。
この部品の機構で私は初めて特許を取得しました。

古門 私は、自分でも実際に使っていた「NANO NEXT」。アパートに住んでいたときにベランダ掃除などで使っていました。NANO NEXTはオーロラNANOの後継機種として誕生した商品で、ノズル側・蛇口側のホースをWリールで完全収納できます。
BOXY NEXTよりもコンパクトで、取り回しや収納場所に困らないので独身の方にもオススメです。

國重 転換点という意味で、私もオーロラNANOを推したいですね。それまでは機能ありきの無骨なつくりでしたが、ここから一気に空間と馴染むデザインが多くなりました。
当時は社内で「タカギらしくない」との声もあり、ホームセンターの営業担当者は「このデザインで受け入れられるのか」と不安を感じていたようです。
でも蓋を開けてみたらかなり好評でヒット商品になりました。オーロラNANOがあったおかげで、BOXY NEXTやNANO NEXTにつながったと思います。

ちなみにオーロラNANOは私の後輩が入社2年目で提案したデザインが採用されたもの。年齢やキャリアに関係なく平等に機会が与えられる風通しの良い社風も強調しておきたいです。


――最後に改めて、BOXY NEXTの購入を考えているお客様にメッセージをお願いします。

芳川 タカギは散水ホースリールのパイオニアであり、樹脂も厚みがあって耐久性が高い。デザインの良さを含め、何の不満もなく使っていただける自信作です。

古門 品質の高さはタカギの強みであり、お客様からも高く評価されています。ホースガイドローラーに代表されるように機構を見直し、取り回しもかなり向上したのでぜひ一度使ってみてください。

國重 BOXY NEXTは企画者の意図を全力で具現化した商品で、関わった人たちの満足度、完成度が高いプロダクトです。作り手も満足しているので、私たちも胸を張ってオススメします。

今回登場した商品をご紹介!

BOXY NEXT(ブラウン)

通常価格:6,028~円(税込)
特別価格:5,423円 (税込)
ホースリール長さ:20m・30m

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BOXY NEXT(チャコールグレー)

通常価格:6,028~円(税込)
特別価格:5,423円 (税込)
ホースリール長さ:20m・30m

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BOXY NEXT(グレー)

通常価格:6,028~円(税込)
特別価格:5,423円 (税込)
ホースリール長さ:20m・30m

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BOXY NEXT(ブラウン)

通常価格:4,048円(税込)
特別価格:3,641円 (税込)
ホースリール長さ:10m・15m・20m

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BOXY NEXT(グレー)

通常価格:4,048円(税込)
特別価格:3,641円 (税込)
ホースリール長さ:10m・15m・20m

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オーロラNANO(ブルー)

通常価格:4.158円(税込)
特別価格:3,740円 (税込)
ホースリール長さ:10m・15m・20m・30m

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