
2月も後半「新年度の準備をはじめなきゃ…」と思い始める時期になりました。
新年度や新学期からお弁当生活を始めるという人は多いのではないでしょうか。和食の名人としておなじみの笠原将弘さんに、大人も子どもも嬉しいお弁当レシピを教えてもらいました。
「おいしかったよ!」の声が聞けること必至です!材料はつくりやすい分量を紹介しています。お弁当箱の大きさに合わせて詰める量を調整してくださいね。

「賛否両論」 店主
高校卒業後、「正月屋吉兆」での9年間の修業を経て実家の焼き鳥屋を継承し、2004年に東京・恵比寿で自身の店を開業。一躍、予約の取れない人気店に。2013年名古屋に、2019年金沢に「賛否両論」直営店を開店する一方、家庭で気軽に楽しめる和食メニューを各メディアで発信。2023年からはYouTubeチャンネルも開設。
YouTube-【賛否両論】笠原将弘の料理のほそ道
手作りはやっぱりおいしさが違う!
「ガッツリのり弁」

のり弁は弁当店の定番メニューですが、家庭で作るとおいしさが格段にアップします。2種類の揚げ物のボリューム感とサクサク感に、お腹も気持ちも大満足するはず。フライと磯辺揚げで同じ衣と油を使うので、見かけより手間がかからないのも笠原流お弁当作りの嬉しいところ。
のりご飯
<材料>
焼のり 1枚、さくら大根(市販品) 適量、昆布つくだ煮(市販品) 適量、ご飯 適量、かつおぶし 適量、しょうゆ 適量
<作り方>
① 弁当箱にご飯を詰める
② かつおぶしを全体にちらす
③ 焼きのりを②の上にのせ、上からスプーンで全体にしょうゆをかける





ボリュームを出したいときは、のり弁を2段にするといいですね。
白身魚フライ
<材料>
白身魚の切り身(今回はタラを使用) 2切れ、塩 少々、こしょう 少々、薄力粉 適量、パン粉 適量
A(卵 1個、牛乳 大さじ2、薄力粉 60g)
<作り方>
① タラは小骨と皮を取り、水けを拭き取って塩、こしょうをふる
② ①に薄力粉と混ぜ合わせた【A】、パン粉の順につける。170℃の油で3分ほど揚げる
ちくわ磯辺揚げ
<材料>
ちくわ 2本、青のり 大さじ1/2、薄力粉 適量、白身魚フライで残った【A】の液
<作り方>
① 白身魚フライのAに青のりを混ぜ合わせる
② ちくわに薄力粉をまぶし①をくぐらせ、白身魚フライで使った170℃の油で2分ほど揚げる
きんぴらごぼう
<材料>
ごぼう 80g、にんじん 40g、白ごま 大さじ1、一味 少々、ごま油 大さじ1/2
A(酒 大さじ3、しょうゆ 大さじ2、砂糖 大さじ1)
<作り方>
① ごぼうとにんじんは5cmの長さ(マッチ棒程度)の細切りにする
② フライパンにごま油を入れ中火で①をしんなりするまで炒める
③ 【A】を加えて煮からめ、白ごま、一味をふる



お弁当を詰めるときは、メインのおかずを真ん中に置き副菜で隙間を埋めるようにすることがコツです。
冷めてもおいしい照り焼きをメインに
「鶏もも照り焼き弁当」

「鶏肉は冷めてもおいしいのでお弁当向きの食材」と笠原さん。その鶏肉を、みんなが大好きな照り焼きにするのだから、「また作って!」と言われること間違いなしです。鶏肉と野菜を同じフライパンで焼き、主菜と副菜を同時に作るという笠原流の時短テクは、忙しい朝に大助かり。
鶏もも照り焼き
<材料>
鶏もも正肉 1枚(300gぐらい)、ししとう 6本、サラダ油 小さじ2、塩 少々、かつおぶし 少々
A(水 大さじ1、しょうゆ 大さじ1、酒 大さじ1、みりん 大さじ1、砂糖 大さじ1)
<作り方>
① ししとうはへたを切り、包丁で切れ目をいれる
② 鶏肉は余分な脂身が残っていたら落として筋を切り、切れ目を入れて厚さを均一にする
③ フライパンに油を入れて中火にかけ、②を皮目から入れる。押さえつけながら焼目がつくまで7~8分焼く
④ ③の上下を返して弱火で3~4分焼く。フライパンの空いたスペースでししとうも焼く。焼けたししとうに塩とかつおぶしをまぶしておく
⑤ フライパンの余分な油を拭き取り、【A】を加え煮からめる。一口大に切って弁当箱に盛り、ししとうを添える
わさびピーマンちくわ
<材料>
ちくわ 3本、ピーマン 2個
A(ねりわさび 小さじ2、ごま油 小さじ1、みりん 小さじ1、しょうゆ 少々)
<作り方>
① ピーマンはへたと種を取り、詰めやすい細さに切る
② ①を【A】で和えてちくわの穴に詰める
③ 一口大に切って器に盛る
プチトマト玉子炒め
<材料>
プチトマト 8個、卵 2個、サラダ油 大さじ1
A(塩 小さじ1/2、砂糖 小さじ2)
<作り方>
① プチトマトはへたを取り、横半分に切る
② ボールに卵を割り入れ【A】を混ぜてよく溶く
③ フライパンに油を入れて①を中火で断面から焼く。焼き色がついたら②を流し入れて炒め合わせる



鶏肉と一緒に焼くのは、キノコやズッキーニ、パプリカでもいいですね。ちくわに、ピーマンではなくセロリを詰めてもおいしいです。献立の立て方に迷ったら、「メインにない味付けや食感は?」と考えると満足感のあるお弁当になりますよ。
お花見やピクニックのお供に
「おいなりさんとのり巻きのお弁当」

お花見、ハイキング、ピクニック。みんなで囲めるお弁当があれば、お出かけがもっと盛り上がりそうです。今回ご紹介するのは、いなり寿司と梅たくあんのり巻きの2種セット。のり巻きは、巻き簾を使わない簡単な巻き方なので気軽に作れます。
おいなりさん
<材料>
油揚げ 4枚、ご飯 300g、白ごま 適量、ガリ(市販品) 少々
A(水 250cc、酒 50cc、砂糖 大さじ5、しょうゆ 大さじ3)
B(米酢 大さじ2と1/2、砂糖 小さじ2、塩 小さじ1/2)
<作り方>
① 油揚げは箸を押し当てて転がし、袋状に開きやすくする
② 沸騰した湯に①をさっとくぐらせて油抜きする
③ 鍋に【A】を入れ火にかけ、沸いたら油揚げを入れる。落しぶたをして弱火で10分ほど煮る。途中で1度裏返す。火を止めそのまま冷ましておく
④ 【B】を混ぜ合わせて熱いご飯に加え酢飯を作る。白ごまを混ぜ合わせる
⑤ 油揚げの汁けをきって好みの形にして酢飯を詰める
梅たくあんのり巻き
<材料>
梅干し 2個(塩分8%くらい)、たくあん 50g、大葉 3枚、白ごま 小さじ1、焼のり 1枚、ご飯 150g、わさび 少々
A(酢 大さじ1と1/2、砂糖 大さじ1/2、塩 小さじ1/2)
<作り方>
① 熱々のご飯に混ぜ合わせた【A】を加えて酢飯を作る
② 梅干しは種を取って包丁でたたく
③ たくあんは細切り、大葉は千切りにする
④ ②、③、白ごまを混ぜ合わせる
⑤ 焼のりを半分に切って①の半量を敷き詰め、手前にわさびを塗る。④の半量をのせ手前から巻く。もう一本も同様に作る
⑥ 一口大に切り器に盛る。わさびをそえる



おいなりさんは、油揚げの四隅にしっかりご飯を詰めると形よく仕上がります。油揚げは前日に煮ておくと程よく味が染みますよ。のり巻きを切るときは、1回切るたびに包丁をぬれ布巾で拭いてぬらすときれいに切れます。
のり巻きやいなり寿司はもちろんですが、ご紹介したおかずは、もともとお弁当用なので冷めてもおいしいものばかり。多めに作って、余った分を夜のお酒のお供にするのもよさそうです。