こすってもとれない水垢、気づくとついている黒カビ、ヌメリ、ピンク汚れ……。毎日使う場所だからこそ、お風呂場の掃除に手を焼いている人は多いのではないでしょうか。
そこで、タカギの浄水器ユーザーで、汚れ落とし研究家として人気の茂木和哉さんに、手早くカンタン、お金をかけない浴室掃除法を伝授してもらいました。
今回は、シャワーヘッドとバスタブの掃除、そして浴室全体のカビ対策の3本柱です。タカギの『キレイストシャワー』の掃除法も教えてもらいましたので、ぜひ参考にしてください。
汚れ落とし研究家。1975年秋田県生まれ。温泉施設での清掃や工業薬品、業務用洗剤販売会社での経験を活かして、独学で洗剤作りをスタート。31歳で洗剤会社を起業。自身の名前をつけたオリジナル洗剤「茂木和哉」は大ヒットとなる。著書『茂木和哉のラクラク掃除術』など。YouTubeチャンネル「茂木流掃除講座」の登録者は42.8万人(2024年8月時点)。
YouTube-茂木流掃除講座【茂木和哉】https://www.youtube.com/@motegikazuya
最初に「使える洗剤」をチェック!
掃除をする前に確認しておきたいのが、使える洗剤の種類です。
商品の素材によっては、アルカリ性のカビ取り剤や弱アルカリ性洗剤、また洗剤そのものを使えないことがあります。面倒でも、メーカーの説明書でチェックしましょう。
ここでは一般的なユニットバスやシャワーヘッドの洗い方を紹介します。
シャワーヘッドは100均グッズでピカピカに
シャワーヘッドをじっくり見る機会が少ないためか、小まめに洗っているという人は多くはないようです。
改めて表面を見てみると、白い汚れが固まっていたり黒やピンク色の汚れがついていたりして、びっくりするかもしれませんよ。
白い汚れは、水道水の中のミネラル分が固まった、いわゆる「水垢」です。黒やピンク色の汚れは、黒カビやばい菌が繁殖したもので「生き物汚れ」と呼ばれます。
生き物汚れができる条件は、①水気があること、②20~30度の温度であること、③餌があることの3つ。
お湯を出し、皮脂や洗剤カスがつくことの多いシャワーヘッドは、格好の繁殖の場といえます。
水垢は詰まりの原因になりますし、生き物汚れを放置するのは衛生的ではありませんね。1週間~10日に1回は洗いたいものです。
洗い方は簡単です。
用意するもの
・薄めた中性洗剤
洗剤を使用する場合には、洗剤をしっかりすすぎ落すことが重要です。洗剤を使えない素材でも、下の方法で洗えば十分に汚れを落とすことができますよ。
・プラスチックのヘラ
100円ショップで売っています。
・使い捨ての歯ブラシ
100円ショップで売っているような安価なものが、曲げやすくおすすめです。
・マイクロファイバークロス
100円ショップで売っています。なければ普通のタオルでもOKです。
準備
歯ブラシの毛先を半分に切り、斜めにカット。さらに柄を曲げると、使い勝手抜群の隙間掃除グッズの完成。
手順
ステップ①
シャワーヘッドの水気を拭き取る
ステップ②
スクリーン部分の白い汚れをプラスチックのヘラで、カリカリとかき落とす
傷つけないように力加減に注意しましょう。汚れが薄くついている程度なら数分できれいに落ちます。こびりついている場合は、力を入れずに時間をかけるようにしましょう。
※タオルなど柔らかい布の上に置いて作業されることをおすすめします。
ステップ③
薄めた中性洗剤を全面に吹き付ける。シャワースクリーン部分は歯ブラシでこする
柄が曲がっているので、ヘッド全体がフィット。毛先が短くなっているので力が逃げにくく、斜めになっていることで溝にピッタリはまって汚れをかき出します。
ときどき水をかけて、穴の中に入り込んだ汚れを流しましょう。最後は水でしっかり洗剤を洗い流してください。
※シャワースクリーン以外のところはメッキ部分が剥がれる可能性がありますので、タカギ商品ではメッキ部分へのヘラ・歯ブラシの使用を控えていただきますよう、よろしくお願いいたします。
ステップ④
マイクロファイバークロスで水滴を拭く
水気を残さないことで、水垢や生き物汚れが繁殖しにくい環境を作れます。
余裕があったら
ヘッドの裏側のメッキ部分をマイクロファイバークロスで磨きましょう。汚れが気になる場合は薄めた中性洗剤を使っても大丈夫です。
シャワーを上向きに出して泡を水でしっかり洗い流し、仕上げに布で水滴を拭きとると、ピッカピカになります。
最後の拭き上げもマイクロファイバークロスがおすすめですが、体を拭いたバスタオルでついでに拭いてしまうという方法も。
汚れが柔らかいうちに拭けば、洗剤で洗う頻度を減らせます。
タカギ「キレイストシャワー」の掃除法
『キレイストシャワー』はヘッドが大きいこと、水の出る穴が小さいことが特徴。
せっかくの高機能を存分に活用するためにも、定期的な掃除を忘れないようにしたいですね。
掃除の手順は上記と同じ。
①広い面にまんべんなく洗剤を吹き付けること
②細かい穴の周囲もていねいに
③洗剤を使用した際は、しっかり水で洗い流すこと
この3つさえ注意すれば、清潔に気持ちよく使い続けることができます。
タカギの「キレイストシャワー」はシャワースクリーンの穴が小さいので、狭い部分の汚れも掻き出すカット済み歯ブラシがマストアイテム。
1週間に1回、定期的に掃除をするなら、洗剤は不要です。
洗剤を使用した際は、故障やメッキ剥がれの原因になるので、必ず水でしっかり洗い流しましょう!
バスタブを桶に、安く豪快に楽しく洗う
「バスタブ洗いは面倒」という人は多くいます。面積が広いから洗剤をちまちまと節約しながら使い、届きにくいところにもがんばって手を伸ばす―。そんな洗い方が、苦手感を生んでいるのではないでしょうか。
私が最近おすすめしているのが、バスタブ自体を桶にするという方法です。
食器用洗剤を使ってブラシで豪快に洗剤液をつくり、バスタブやその周辺を一気に洗ってしまおうという方法です。お風呂用洗剤よりはるかに安く、しかも洗浄成分の濃度の高い食器用洗剤を使うことがミソです。
用意するもの
・食器用中性洗剤
・柄のついた浴室掃除用のブラシやスポンジ
手順
ステップ①
バスタブに栓をし、水を200~400ml入れて、食器用洗剤を2~4滴入れる
いずれも目分量でOKですが、洗剤を入れ過ぎると泡を流すときに時間がかかります。
ステップ②ブラシでかき混ぜて洗剤液をつくる
盛大にかきまぜましょう。お風呂用洗剤と同じようなパワーを持った洗剤液ができます。
ステップ③
ブラシでバスタブとバスタブ周りを洗う
洗剤液が余った場合は浴室の壁も洗ってしまいましょう。柄のついたブラシを使うので、対面の壁も簡単に洗えます。
ステップ④
シャワーで流す
コストを劇的に安く抑えられ、たっぷりの洗剤液をじゃぶじゃぶ使って気持ちよく洗うことができる方法です。ときどきこの掃除法に替えると気分も変わり、お風呂掃除の時間が楽しくなりますよ。
400mlは、浴槽だけを洗うには少し多い量です。
椅子や洗面器、洗い場の掃除とバスタブ掃除で同じブラシを使っている人なら、そのまま全部洗ってしまうのもいい方法です。
最後に水滴を拭き取れば完璧ですが、面倒ならそこまでしなくても大丈夫!
浴室のカビ予防は、天井拭き1回で万全
湯気がこもる浴室は、生き物汚れの繁殖条件3つがそろった、カビやばい菌の天国。
「換気や掃除をしているのに、気づくと黒カビがついている」と悩む声はよく耳にします。
でも、大丈夫。黒カビは、半年~1年に1回の、薄い塩素を使った天井拭きで十分に予防可能です。年1回なので、そのときだけはちょっと手間をかけましょう。
そうはいっても難しいことではありません。
用意するもの
・塩素系漂白剤
・厚手のキッチンペーパー
・手袋
私はニトリルゴム製が好きですが、素材は問いません。
・椅子か脚立、台
天井に手が届くようにするためです。
・目の保護具
塩素を使用するため、着用をおすすめします。
準備
容器に塩素系漂白剤1gを入れ、100gになるまで水をそそいで、100倍希釈液をつくる。
お湯ではなく水を使うこと。浴室の換気扇は作業中ずっとまわしておきましょう。
手順
ステップ①
キッチンペーパーをミシン目2本分程度の長さで切って、希釈液につけ硬く絞る
塩素を扱う際は手袋をつけましょう。
ステップ②
天井を拭く
換気扇のカバーを外し、内側も拭きましょう。角までていねいに。
ステップ③
塩素が飛ぶまで待つ
洗い流しは不要です。
100倍希釈液なので匂いはほとんどしませんが、気になるときは午前中に作業をして換気扇をつけておけば、夕方の入浴時までは匂いが飛びます。
目には見えなくても、天井には黒カビが潜んでいます。
そこから胞子が落ちると、下には生き物汚れの3大条件が揃っているので、床や壁、カウンターの下などで増殖してしまうのです。
塩素を含んだペーパーで天井を拭けば、汚れを落としながら見えない黒カビの除菌にもなり、浴室全体がカビにくくなるというわけです。
ワイパーを使って天井を拭くという方法もありますが、ワイパーでは角のゴムパッキンや換気扇周りの溝や内側の細かいところまで拭けません。台に上って手で拭くほうが力も入ります。足場には気を付けてくださいね。
天井を拭き取ったあと、防カビ燻煙剤を焚くと、さらに清潔な状態が長続きします。
防カビ燻煙剤は2か月おきに焚くと完璧です。
まとめ
茂木さん流の方法なら、浴室掃除が面倒な作業ではなくなりそうです。参考にして、目についたところからさっそく始めてみてはいかがでしょうか?